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開設159㎞、拡張71㎞など計画 大淀川国有林森林計画案

 林野庁九州森林管理局は、平成30年度から39年度までの10箇年を計画期間とする「大淀川国有林の地域別の森林計画書案(大淀川森林計画区)」をまとめた。対象区域となる宮崎市や都城市、小林市、国富町など4市4町に於いて、林道及び林業専用道の開設114箇所(総延長159㎞)や拡張176箇所(同71.3㎞)に取り組むほか、渓間工や山腹工等を含む治山事業を240地区で行う方針でいる。

 国有林における地域別の森林計画は、長期的な視点に立った計画的かつ適切な森林の取扱いを推進するため、該当する森林計画区における国有林野及び公有林等官行造林地の整備や保全に関する基本的な事項を定めたもの。森林法の規定に基づき、森林管理局長が全国森林計画に即して5年ごとに10年を1期として策定する。

 計画案によると、対象となる国有林は▽宮崎市▽都城市▽小林市▽えびの市▽三股町▽高原町▽国富町▽綾町―の4市4町にまたがる区域。九州山地南部山系の団地や熊本県境に接する団地、高千穂峰を中心とする霧島団地、青井岳を中心とする団地、鰐塚山を中心とする団地で形成し、計画対象国有林の総面積は8万8388㌶となる。

 前計画の実行結果によると、木材の安定供給を目的に育成単層林の皆伐を計画したことから、主伐の計画量は概ね達成されたが、間伐や造林は計画量を下回った。林道等の開設も計画量を下回り、改良は集中豪雨等の被災箇所で緊急性の高い箇所で実行した。また、保安林や保全施設の整備を優先したため、治山事業も計画量を下回った。

 今計画では、森林の有する諸機能が発揮される「流域」を基本単位とし、水源涵養や山地災害防止・土壌保全、快適環境の形成、木材生産等の機能を高度に発揮するための適切な森林施業の面的な実施、林道等の路網整備、山地災害の防止、森林病害虫や野生鳥獣害の被害対策などの森林の保護等に関する取り組みを推進する。

 このうち林道及び林業専用道(自動車道)の開設では、宮崎市で15箇所(延長30.2㎞)、都城市で33箇所(同37.4㎞)、小林市で36箇所(同52.1㎞)、えびの市で13箇所(同15.4㎞)、三股町で3箇所(同2.4㎞)、高原町で6箇所(同9.0㎞)、国富町で3箇所(同35.7㎞)、綾町で5箇所(同6.8㎞)を整備する。

 舗装やモルタル吹付等を主とする林道拡張は、宮崎市で19箇所(延長7.8㎞)、都城市で85箇所(同35.3㎞)、小林市で24箇所(同9.1㎞)、えびの市で29箇所(同13.6㎞)、三股町で7箇所(同3.2㎞)、高原町で2箇所(同0.6㎞)、国富町で3箇所(同0.6㎞)、綾町で7箇所(同1.1㎞)の整備に取り組む。

 治山事業に関しては、▽宮崎市=33地区▽都城市=77地区▽小林市=74地区▽えびの市=23地区▽三股町=17地区▽高原町=5地区▽国富町=7地区▽綾町=4地区―で渓間工及び山腹工を実施する必要があると明示。このほか、各地区に於いて主伐や間伐、人工造林及び天然更新、本数調整伐等を行う方針でいる。

 九州森林管理局はこのほか、五ヶ瀬川国有林や一ツ瀬川国有林に於ける森林計画書の変更計画案(いずれも平成29年12月変更)をまとめ、同様にホームページで公開している。計画案及び変更案に対する意見書を11月30日まで受け付ける。

《大淀川国有林の地域別の森林計画案》