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県内企業7割が「人手不足」 建設業は3番目の高さ

 宮崎県が県内企業・法人を対象に行った人材確保の取り組み等に関するアンケートで、人手を「かなり不足」または「やや不足」と感じている企業が全体の7割にのぼることが分かった。不足と感じている業種は、運輸業の88.2%がもっと高く、情報通信業(85.7%)、建設業(81.9%)が続いた。

 調査は宮崎県商工観光労働部雇用労働政策課が行ったもの。ことし7月4日から21日にかけて、宮崎県商工会議所連合会・宮崎県商工会連合会・宮崎県農業法人経営者協会の傘下企業・法人を対象に人材確保の取組状況を尋ね、640の企業から回答を得た。

 人手不足の状況に関する質問では、「かなり不足」と感じている企業が12.8%、「やや不足」と感じている企業が57.3%で、不足と感じている企業は70.1%となった。一方で、「特に不足感はない」とする企業の割合は28.9%、「過剰である」と回答した企業は0.2%だった。

 これを業種別に見ると、「かなり不足」と感じている企業の割合は、運輸業(29.4%)や宿泊業、飲食サービス業(22.7%)で高い。これに「やや不足」を合わせると、運輸業(88.2%)、情報通信業(85.7%)、建設業(81.9%)、学術研究、専門・技術サービス業(81.3%)の順に人材不足を感じている。

 建設業の回答件数は122件。内訳は、「かなり不足」が13.9%(17件)、「やや不足」が68.0%(83件)、「特に不足感はない」が16.4%(20件)、「過剰である」は0%となっている。

 他方、今回のアンケート調査とは別に県がまとめた若者の県内就職に関する調査結果(速報値)によると、平成29年3月卒の高校生の県内就職率は55.8%、同じく大学生の県内就職率は44.3%となっている。高校生の県内就職率は前年比で1.0ポイント上昇したが、47都道府県中46位と最低水準に止まっている。

 また、若者の早期離職に関する直近データによると、県内高卒者の就職後3年以内離職率は44.5%、大卒者の就職後3年以内離職率は41.1%となった。全国平均と比較して、高卒者で3.7ポイント、大卒者で8.8ポイント高い状況にある。

 県は将来の労働力人口の確保に向けて、シニア人材バンクや就業相談窓口を活用した高齢者と企業のマッチング強化を図ると共に、UIJターンの促進を目的とした本県出身者等への情報発信、女性も働きやすい職場づくりに対する支援、女性の再就職支援セミナー・面談会の開催等に取り組んでいる。

 一方、若者の定着対策として、県内企業と高校のつながりを強化するための意見交換会等を開催。県内企業の魅力や宮崎の暮らしやすさを若者に伝えるため、高校生企業ガイダンスや大学生向けインターンシップを実施すると共に、若手社員定着に向けた取り組みを支援する窓口を設置し、助言・支援を行っている。

《職種別のアンケート調査結果》