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監督業務、ISOで代替 直轄でモデル工事試行

 国土交通省は、直轄工事の監督業務の効率化と品質の向上を図るため、ISO9001の認証取得を活用したモデル工事を試行する。モデル工事では、発注者による監督業務の代替として、ISOに基づく品質マネジメントシステムを運用した受注者の自社検査を原則化し、第三者であるISO認証審査登録機関が監査を実施。監督職員は自社検査の結果を事後確認し、段階確認(臨場など)を省略する。11月15日以降に契約する工事や既に契約した工事で試行する。

 モデル工事は、直轄の一般土木工事で試行する。低入札による重点監督対象工事には適用せず、モデル工事には施工プロセスを通じた検査や第三者品質証明を行わない。

 ISO9001の認証取得を受けているモデル工事の受注者は、監査を実施するISO認証審査登録機関と協議し、発注者側の仕様・要求事項と同等の監査体制を確保できることを確認。工事着手前に▽検査計画、確認・立ち会い計画▽監視・測定の担当者、承認者と資格▽内部監査計画▽監視機器・計測機器管理計画▽トレーサビリティ管理計画▽不適合管理計画―などを記載した「品質計画書」を発注者に提出する。

 ISO認証審査登録機関は、施工中の監査で、品質計画書の履行や品質記録を確認する。発注者は、受注者のISO9001を活用した自社検査の結果を確認するものとして、臨場による段階確認を簡略化する。

 直轄工事では、これまでもISO9001の活用工事を実施していたが、モデル工事には認証審査登録機関による監査を追加し、品質の向上と監督業務のさらなる効率化を狙う。直轄工事では、発注者による段階確認が100回程度に上る現場もあり、段階確認を省略すれば、受発注者による臨場の負担も軽減される。また、ISO認証審査登録機関の監査を受けることで、中間技術検査の回数を減免することも認められる。