国土交通省などが行っている「入札契約適正化法に基づく実施状況調査」で、2017年3月末時点で低入札価格調査・最低制限価格制度のいずれも未導入の市区町村は127団体(暫定値)になったことが分かった。16年度の1年間で31団体が新たに制度を導入した。また、国交省が17年度にダンピング対策の導入を重点的に指導した10市町村のうち4市町がいずれかの制度を導入し、3市町が制度を導入する予定であることも明らかになった。
調査基準価格と最低制限価格は、品確法の運用指針で「適切な活用を徹底する」とされ、国交省はいずれかの制度を導入し、過度なダンピングを防止するよう自治体を指導している。
国交省・総務省・財務省が毎年行っている実施状況調査によると、制度を導入していない都道府県・政令市はないが、16年3月31日時点で、全市区町村の9.2%に当たる158団体が未導入だった。17年3月31日時点の調査結果(暫定値)では、未導入の市区町村は127団体(全市区町村の7.4%)に減少した。
国交省は、未導入の市区町村のうち「人口1万5000人以上、かつ直近3カ年の平均発注金額15億円以上」の基準で、重点指導団体10団体を抽出。17年度に入り、制度導入を個別に要請した結果、4市町が既に制度を導入し、3市町が18年度までに導入することにした。
重点指導団体で依然として未導入のままの3団体は、過去3年間の平均落札率が95%を超え、過度なダンピングも発生していない。指名競争入札が過半を占めていることに加え、大規模工事の発注が少なく、安定した落札率で推移しているという。
未導入の小規模な市区町村からは、ダンピング対策のノウハウを学べる講習会の開催などを希望する声もある。国交省は、低入札価格調査・最低制限価格制度を引き続き周知する考えだ。