全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と傘下の都道府県建設業協会が国土交通省と地域単位で意見を交わす「地域懇談会・ブロック会議」が10月4日の関東甲信越を皮切りにスタートした。同日の関東甲信越地方ブロック会議で業界側は、現場への週休2日制導入に向けた現場管理費など諸経費のアップや、低入札価格調査基準価格を算出する中央公契連モデルの改定などを要望した。
会議の冒頭、あいさつに立った関東甲信越地方建設業協会の渡邉勇雄会長は、自然災害が多発する中、地域で活動する建設業の重要性を強調。経営基盤強化に向けた支援の拡充を求めた。
一方、来賓として参加した国交省の青木由行建設流通政策審議官は、安定的な公共事業費の確保による社会資本の整備や、建設業の担い手の確保と生産性向上に向けた施策などに積極的に取り組む考えを述べた。
週休2日制導入に向けた現場管理費など諸経費のアップは「担い手の確保・育成と週休2日制導入への対応」として長野県建設業協会が要望。現場管理費などのアップをはじめ、適切な工期設定▽公共工事設計労務単価の改善▽業務の省力化▽すべての発注機関への波及―を求めた。
同協会は、週休2日制導入による工期延長によって増加する現場管理費などについて、県発注の道路・河川工事などで試算した。その結果、実行予算ベースで平均3.8%、適正な利潤確保のためには平均7.7%の工事費のアップが必要なことが分かったという。
国交省側は、同省が週休2日工事で適用している現場管理費などの補正を、実態に合わせ見直していく方針を示した。
中央公契連モデルの改定については山梨県建設業協会が求めた。低入札価格調査基準価格(最低制限価格)の算出に関して、「算出額が予定価格の10分の9を超える場合は10分の9にするという現行の上限枠を撤廃すること」や「一般管理費の算入率を、現行の10分の5.5から、現場管理費と同様の10分の9にすること」を要望した。また、低入札の特別重点調査の実施対象算定率を大幅に引き上げるべきとした。
国交省側は工事の品質や担い手確保の観点からデータを蓄積、実態を把握し対応していく意向を示した。
業界側はこのほか▽公共事業の安定的確保と地域建設業の受注機会確保(千葉)▽道路整備の補助率などの嵩上げ措置の継続(栃木)▽i―Constructionの推進(茨城)▽地域の中で技術者を育てる環境整備(群馬)▽施工時期の平準化(神奈川)▽改正品確法と運用指針の市町村への周知・徹底(埼玉)▽除雪業務に対する時間外労働規制の弾力的運用(新潟)▽銘板設置の拡充(群馬)―を求めた。