■ 適切な設計・施工や維持管理など学ぶ
▲写真は挨拶する工藤委員長、講師の長友邦彦氏、セミナーの模様
一般社団法人宮崎県法面保護協会(工藤勝利会長)は9月30日、宮崎市内で「グラウンドアンカー施工技術講習会」を開催した。会員企業の技術力向上に加え、今月14日に実施されるグラウンドアンカー施工士検定試験の直前講習として行われたもの。受講した会員企業の技術者は、適切な設計・施工の手法や試験のポイントを熱心に学んだ。
講習に先立ち挨拶に立った技術安全委員会の工藤哲二委員長は、公共工事予算や事業量が減少する一方で、品質確保を求める動きが一段と強まっていることを指摘。安全・安心な法面保護工事を実現するため、工事に充実する技術者の役割が大きくなっていることを強調し、受講者に対して更なる技術の研鑽に努めてもらうよう呼び掛けた。
講習会のテキストには、地盤中に造成されるグラウンドアンカーの設計・施工に適用する基準に関して、総則から用語・記号、計画・調査、材料、防食、設計、施工、試験、維持管理までを解説とともに収録した「グラウンドアンカー設計・施工基準、同解説」(公益社団法人地盤工学会著)を使用。
講師を務めた株式会社ジオセンターエム技術部長の長友邦彦氏は、アンカーの特性や地盤性状を踏まえ、計画段階で▽アンカーの形式▽アンカーされる構造物、周辺・近接地盤の変位と安定▽供用期間及び環境条件に応じた防食構造▽設置地盤の長期にわたる安定性―などに関する技術的検討を十分に行う重要性について言及。
高応力下で供用されるアンカーは腐食を受けやすい環境にあり、わずかな腐食が破断の原因となることを指摘し、適切な防食構造を採用する必要があることを説いた。長友氏はこのほか、解説書に沿って各種調査やアンカーの材料基準、設計・施工時の留意点、適切な維持管理などについても説明を行った。