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2040年の所有者不明土地 北海道にせまる720万㌶

 2040年時点での所有者不明土地は、北海道本島の面積にせまる約720万㌶、経済的損失は約6兆円―。所有者不明土地問題研究会(座長、増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授)は10月26日、所有者不明土地の面積の将来推計と経済的損失の速報値を公表した。16年時点で存在している所有者不明土地の面積は約410万㌶、単年での経済的損失は約1800億円になると推計。その上で、所有者不明土地は今後40年までの間に約310万㌶増加し、40年単年の経済的損失は約3100億円になると予測している。

 研究会は、相続候補者へのウエブアンケートによる相続予定土地の活用意向調査を実施。統計情報による死亡者数と、調査結果から得られた相続未登記率を用いて40年までに新たに発生する所有者不明土地の面積を推計した。

 速報値を自ら発表した増田座長は、「20~40年に発生する土地相続のうち、約27~29%が未登記になる可能性があることが分かった」と述べた上で、「所有者不明土地の増加を防止する新たな取り組みが進まなかったり、探索が行われないと仮定した場合、所有者不明土地の面積が40年には約720万㌶になると推計される。これは北海道本島の面積に近づく数字だ」などと説明。「予想以上に深刻」との認識を示した。

 経済的損失の推計については、「算出可能なコストと損失額を試算した結果、16年単年での経済的損失は約1800億円。40年までに所有者不明土地の面積が増加することを考えると、40年単年では約3100億円に上り、累積では約6兆円に相当する」(増田座長)と説明。「把握可能なデータを用いて、一定の仮説を立てて算出可能な事項のみ行った試算であることに注意する必要がある。少なくとも6兆円ということであり、実際の損失額はさらに大きくなる恐れがある」(同)と指摘した。

 研究会は17年12月に最後の議論を行い、17年1月の検討開始からこれまでの間に行った調査や議論を踏まえた報告書をまとめ、法務・国土交通・農林水産―の3省などが所有者不明土地問題の解決に向けて打ち出す施策や、立法措置の参考となる“検討の方向性”と、仕組みづくりを提案することにしている。

 研究会は、17年6月26日に16年度地籍調査を活用した推計結果を公表。登記簿上の所有者不明土地が20.1%あることや、65歳以上死亡者との相関関係からみた不明率が約20%であること、16年時点で、ほぼ九州の面積と同じ約410万㌶の所有者不明土地が存在すること―などを明らかにしていた。