宮崎県及び県内市町村の住宅施策の方向性を示した「宮崎県地域住宅計画」(第4回変更、平成29年10月)が明らかになった。平成28年度から32年度までの計画期間内に事業費として約216億円を投じ、公営住宅等の計画的な建て替えや改善・更新、住宅新築・改修助成等の各種事業を宮崎県及び市町村が推進する。
地域住宅計画は、地域の実情に応じた住宅施策を推進することを目的に、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法に基づき、地方公共団体が作成するもの。地方公共団体が交付金を充てて事業を実施するためには、地域住宅計画に基づく事業等を位置づけた社会資本総合整備計画を作成する必要がある。
変更計画では、地域の住宅施策の経緯や現況を基に課題を抽出。計画の目標に▽安全・安心な住まい・まちづくりの推進▽居住ニーズに対応した住宅市場の環境整備▽重層的な住宅セーフティネットの構築▽連携・協働による推進―を掲げた。
これらの目標を定量化する指標として、リフォーム実施戸数の住宅ストック戸数に対する割合を6%(平成25年度=4.1%)、公営住宅のバリアフリー化率を35%(平成26年度=26.7%)、新耐震基準の耐震性を有する住宅ストックの比率を90%(平成25年度=75.9%)とする目標値を設定している。
目標達成へ県及び市町村が取り組む事業として、新設及び建替を含む公営住宅等整備事業に約92億円(533戸)、既存ストックを改善する公営住宅等ストック総合改善事業に約98億円(8275戸)を投じる。また、若者の定住促進に向けた住宅整備等に約4億円、個人住宅の新築・増築・改修等に対する助成に約5億円を充てる。
このうち、公営住宅等整備事業に係る事業主体別の内訳は、▽宮崎県=135戸・約17億円▽宮崎市=81戸・約28億円▽日南市=100戸・約12億円▽小林市=64戸・約11億円▽三股町=70戸・約10億円▽高原町=24戸・約1億円▽木城町=20戸・約3億円▽門川町=20戸・約4億円▽椎葉村=8戸・約1億円―など。
一方、公営住宅等ストック総合改善事業に係る事業主体別の内訳は、宮崎県が3372戸(約42億円)、宮崎市が2506戸(約14億円)、都城市が551戸(約8億円)、延岡市が598戸(約6億円)、日南市が90戸(約10億円)、三股町が110戸(約3億円)、高鍋町が104戸(約1億円)、新富町が126戸(約3億円)などとなった。
全国的に大きな課題となっている空き家対策に関しては、宮崎市・都城市・日向市・串間市・西都市・えびの市・高原町・高鍋町・美郷町が空き家再生等推進事業により空き家の実態調査を行い、地域に悪影響を及ぼす特定空き家等の除去や活用等に取り組むこととしている。