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工事書類さらに簡素化 施工計画書=柔軟な提出認める

 国土交通省は、工事書類のさらなる簡素化に取り組む。直轄工事ではこれまでも紙と電子書類の二重提出廃止などに取り組んでいるが、受注者からは各現場で対応が異なり、依然として大量の書類提出を求められるとの指摘がある。そこで同省は、書類作成の手順などを示した「土木工事書類作成マニュアル」を各地方整備局で見直し、現場対応の統一化を改めて周知した。さらに、契約後に提出する施工計画書について、当初段階で施工方法が未確定な工種は記入せず、工法が確定した後に対象工種のみの計画書提出を求めることにした。

 土木工事書類作成マニュアルは、発注者が求める工事関係書類(契約図書、契約関係書類、工事書類、工事完成図書)や書類提出の手順などを監督職員や受注者に示したもの。地整ごとに作成し、作成書類の統一化を図っている。

 国交省は、このマニュアルを見直すよう全ての地整に指示。具体的には▽二重提出・ダブルチェックの廃止▽ASP(情報共有システム)を活用した情報共有と電子化による効率化▽基準改定による作成不要書類の周知▽設計変更ガイドラインの周知・徹底―などを追記するよう求めた。

 施工計画書は、原則として契約後30日以内に提出することを受注者に求めている。受注者は施工方法が未確定でも提出しなくてはならず、当初段階で計画書を提出しても工法確定時に変更計画書を提出しなくてはならなかった。

 これを見直し、災害復旧など早急な対応が必要な概略発注や、関係機関協議などの制約条件で施工方法が未確定な工種については、当初段階で提出する計画書には記載せず、工法確定後に対象工種のみを提出することを認める。

 また、13年度から原則として全直轄工事を対象に、ASPを活用して受発注者が電子上で情報を交換・共有し、円滑な監督・検査を行うことにしている。工事書類を削減するため、ASPを活用した電子検査を行うことも各地整に求めた。

 これら直轄工事での取り組みは、地域発注者協議会を通じて地方自治体などにも周知する。工事書類を簡素化する効果が確認された地整独自の取り組みを全国に展開して現場事務の効率化を図る。