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建設技能継承から2件 厚労省「地域発!いいもの」

 厚生労働省は技能振興に貢献する地域独自の取り組みや制度を顕彰する「地域発!いいもの」として、2017年度上半期に応募のあった11件の中から「石川の伝統的建造技術を伝える会(事務局、石川県建築組合連合会)」が行っている石川県の伝統的建造技術の習得・継承および後継者の育成活動と、熊本県の「石橋伝統技術保存協会(尾上一哉理事長)」が取り組んでいる石橋技術者養成講座―の2件の建設技術・技能の継承の取り組みを選んだ。

 石川の伝統的建造技術を伝える会は、金沢城の菱櫓(ひしやぐら)などの復元工事を手掛けるに当たり、同連合会など9職種の組合が集結し、単に復元するだけにとどまらず、伝統的な建造技術を次世代に継承する機会と捉え、後継者育成にも努める取り組みが評価された。

 石橋伝統技術保存協会は、日本に唯一残った江戸時代から続く石橋架橋に特化した石工集団の技を継承し、活用するため座学・研修・実習を実施している。国内の石造アーチ橋の多くが撤去されている中で、その優れた機能と文化価値を守るため、石橋の保存・修復などの活動を行う一方、熊本地震で被災した石橋の復旧や県内外の石橋の新規築造、修繕・修復を行うなど、高度な石工技能を継承する取り組みであることが評価された。

 厚労省は17年度下半期の「地域発!いいもの」の応募を12月8日まで受け付けている。