国土交通省が設置した「i-Construction推進コンソーシアム」の技術開発・導入ワーキンググループは、生産性を高める新技術5件を現場で試行することを決めた。10月25日にWGが開いた会合で、発注者などが持つ現場のニーズと企業が持つ新技術5件(シーズ)とのマッチングが成立。2017年度末をめどに試行結果を評価する。また、同省は会合で、各発注者が抱える現場ニーズを公表、年明けを目指して2回目の試行技術のマッチングを行うことを明らかにした。
現場ニーズと新技術のシーズをマッチングさせる取り組みは、新技術の現場実装を後押しするために進めている試み。コンソーシアムは、今年4月に発注者側の「ニーズ説明会」、5月に企業側の「シーズ発表会」を開いた後、発注者・企業間で個別に試行条件を調整していた。
25日に技術開発・導入WGが開いた「新技術のニーズ・シーズマッチング決定会議」では、現場ニーズに対応した技術として▽AEセンサを活用した新技術▽高精度の地上レーザースキャナを用いた新技術▽複数の建設現場を一元管理できる新技術▽建設現場の事故ゼロを目指す新技術▽AI(人工知能)を活用した新技術―で各1件を選定。
このうち、建設現場の事故ゼロを目指す技術は、清水建設が求めた現場ニーズに日立ソリューションズがスマートフォン・IoTデバイスの活用により提案。清水建設が受注している直轄工事の現場で試行する。
また、今回選ばれた5件に、公募で選定した類似技術4件を加え合計9件の新技術を現場で試行する。
さらに同省は、2回目の現場ニーズ・技術シーズのマッチングを開始する。WGの会員を対象に、これまでに各発注者が示した現場ニーズに対応した新技術を募り、年明けにマッチングを成立させる。
マッチングが成立した5技術と類似技術4件は次の通り(カッコ内は現場ニーズを提出した発注者など)。
▽AEセンサを活用した新技術(北海道開発局)―原子燃料工業、日本国土開発・科学情報システムズ(類似技術)
▽高精度の地上レーザースキャナを用いた新技術(関東技術事務所)―八州
▽複数の建設現場を一元管理できる新技術(東北地方整備局、和歌山県)―パイオニアVC、富士通(類似技術)、NECネッツアイ(類似技術)、国際航業・ウェストユニティス(類似技術)
▽建設現場の事故ゼロを目指す新技術(清水建設)―日立ソリューションズ
▽AIを活用した新技術(国土技術政策総合研究所)―ユニコシステム。