建設ネット企画画像 四角 四角

直轄工事に地元企業活用を 全建・九州ブロック会議

B00050978_1     S00050978_2

▲写真は会合の模様

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)が国交省と意見を交わす地域別ブロック会議の九州ブロック会議が19日、大分市内のホテルであった。近藤会長のほか、九州建設業協会(九建協)から岩崎成敏会長ら各県建協会長、国交省と九州地方整備局幹部、各県関係者など約100人が出席。九建協は、国の直轄工事に地元企業活用促進や建設現場での週休2日の推進などを要望した。

 岩崎会長は挨拶の中で、「我々建設産業の使命は、地域経済活性化の基盤となる社会資本整備と、災害対応・復旧など地域の安全と安心を確保すること」とした上で、「本年度の建設予算額は、依然として九州沖縄地区において、前年度を割り込む大変厳しい状況」と訴えた。

 岩崎会長のあいさつ後、鈴木英二郎国交省審議官が、公共事業の確保について「30年度当初予算で前年度比約1.16倍を要求する見通し。働き方改革では、政府も建設工事の適正な工期設定のためのガイドライン作成を進めている」などと述べた。担い手確保に向けては「引き上げた設計労務単価の上昇分が技能者に確実に行き渡るようにし、賃金上昇や社会保険加入率100%の達成につなげたい」と話した。

 懇談では、安部大分会長が「国の直轄工事に地元企業の活用促進」を要望。これに対し、国交省は「直轄工事は、発注時に分離・分割で、できる限り地域企業を対象にした工事発注に努めている。大型工事も、特定建設工事共同企業体(JV)の結成を認めるなど、今後も地元発注に努力していく」との方針を示した。

 建設現場での週休2日の推進については、松尾哲吾佐賀会長が要望。「適正な工期設定、発注平準化などを確実に実行することが必須で、若者に建設業の魅力を感じてもらうようしていくためには週休2日は極めて大事」と述べた。

 国交省は「今年度の労務単価調査は、週休2日導入の休日拡大に伴う調査項目を追加し、今後調査結果を踏まえ、適切に検討していきたい」などとした。

 橋口光徳熊本会長が「大規模災害時の円滑な発注のためのガイドライン作成」を要望。熊本県担当者から「熊本地震発生から1年半が経過したが、なかなか復旧が進まない。大規模災害復旧工事の対応状況に、国、県、市町村で大きな違いがある。きちんとしたガイドラインがほしい」と求めた。これに対し、国交省は「復旧・復興の入札契約方式のモデル事業を実施している。今後、この成果を活用しながら引き続き支援していきたい」と答えた。

 懇談会を踏まえ、九州ブロック会議の安部大分会長が▽公共事業予算の持続的な増額確保ならびに公共投資の減少が著しい九州沖縄地方への重点配分▽工事の適正利潤の確保や、低入札調査基準価格の引き上げ▽働き方改革実現への実効性のある対策ならびに労務費のさらなる引き上げ▽大規模災害時の新ガイドラインの作成―の4項目などの決議文を、全国建設業協会の近藤会長に手渡し、政府・与党への積極的な要望を求めた。(地方建設専門紙の会)