国土交通省は、電気通信工事の施工管理に関する技術検定の新設、2級建築施工管理技術検定の種別統合などを行う建設業法施行令を改正する政令案をまとめた。技術検定に新たな種目を設けるのは1987年度の電気工事以来30年ぶり。2級建築の技術検定では、2018年度試験から学科試験で「建築」「仕上げ」「躯体」の3種別を統合。実地試験の段階で種別ごとの専門分野を問う形に改める。政令は11月上旬に閣議決定する。
国家資格のない電気通信工事では、主任技術者と監理技術者の資格を得るには実務経験要件を満たす必要がある。技術士も監理技術者になることができるが、電気通信の監理技術者の97.2%は実務経験要件を満たして技術者資格を得ている。
実務経験には、主任技術者で「大卒3年以上、高卒5年以上(いずれも指定学科)、その他10年以上」、監理技術者で「元請け代金額4500万円以上の工事で指導監督2年以上」の厳しい要件があるため、将来的に電気通信の技術者が不足する懸念がある。
国交省は、建設機械、土木、管、造園、建築、電気に続く7番目の種目として電気通信の技術検定を新設し、合格者が主任技術者・監理技術者として現場の施工管理に従事できるようにする。
政令案では、1級・2級電気通信の受験資格を他種目と共通で設定するとともに、1級の受験料を学科・実地試験でそれぞれ1万3000円、2級の受験料をそれぞれ6500円と定める。政令の閣議決定後に建設業法の省令・告示を改正し、新たな資格制度の詳細を盛り込む。
2級建築の技術検定については、「建築」「躯体」「仕上げ」の3種別を設け、種別に応じて学科・実地試験を行ってきたが、18年度からは3種目を統合した共通問題で学科試験を行う。
2級の学科試験は、高校在学中に受験が認められているが、学科試験に合格しても就職した企業の配属先が別の専門部署だと、学科試験を再受験する必要がある。就職先の決まっていない高校生に配慮し、学科試験の試験問題を統一。種別ごとの専門分野は実地試験の際に行うことにする。