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橋梁更新、交付金対象見直しを 予防保全管理を徹底

 財務省は、地方自治体が行う橋梁の老朽化対策で、定期点検の結果やライフサイクルコスト(LCC)を踏まえ適切な対策を選択するよう求める。5年に1度実施する定期点検で、健全度が高い橋梁を更新したり、修繕による長寿命化を行わずに更新したりする事例が見られるとして、2018年度に防災・安全交付金の交付対象を見直し、予防保全型管理を徹底するよう国土交通省に求めた。

 10月17日の財政制度等審議会財政制度分科会でこうした考えを示した。

 道路管理者には、橋梁とトンネルを5年に1回点検することが義務付けられている。点検結果は▽Ⅰ(健全)▽Ⅱ(予防保全段階)▽Ⅲ(早期措置段階)▽Ⅳ(緊急措置段階)―の4区分で判定する。

 財務省が行った予算執行調査によると、防災・安全交付金を交付した自治体が行った橋梁の更新事業で、定期点検を実施せずに更新した橋梁が5件、修繕と更新のコストを比較せずに更新したものが53件、修繕を1度も行わずに更新した橋梁が132件あった。また、健全度の高い判定区分Ⅰ・Ⅱであったにも関わらず、修繕を行わずに更新した橋梁も6件あったという。

 調査結果を踏まえ、財務省は、自治体のインフラ老朽化対策を支援する防災・安全交付金の交付対象から、健全度の高い判定区分Ⅰ・Ⅱの橋梁を除外することを要求。判定区分Ⅲ・Ⅳの橋梁については、修繕よりも更新のLCCが小さい橋梁に交付金を重点配分するよう求めた。

 また、自治体が作成する長寿命化計画(個別施設計画)の実効性を高めるため、予防保全型の管理を計画に位置付けていない橋梁は、交付金の重点配分の対象としないことも求めている。