国土交通省と厚生労働省は10月18日、容積率の緩和を受ける大規模マンションの開発事業者に保育施設の設置を要請するよう、全国の地方自治体に通知した。容積率緩和の特例措置を適用する大規模マンションが建設されると、局所的に保育施設の需要が増加することから、都市計画の内容や総合設計制度の許可要件に保育施設の設置を盛り込んだり、開発事業者に保育施設の併設を要請するよう求めている。
待機児童解消に必要な22万人分の受け皿確保を目指す「子育て安心プラン」に基づく通知。国交省の都市局都市計画課長・住宅局市街地建築課長、厚労省の子ども家庭局保育課長の連名で、都道府県・政令市に送付するとともに、都道府県には管内の市町村への周知も求めた。
対象となるのは、都市計画制度や総合設計制度を活用し、容積率の緩和を受ける大規模マンション。都市計画の立案、総合設計制度の許可申請の段階で、自治体の都市計画・建築・保育の各部局が情報を共有し、保育施設の必要性や規模を検討。保育施設の確保が必要な場合、都市計画の内容や総合設計制度の許可条件に反映する。
大規模マンションの開発事業者に対しては、保育施設の設置を要請するとともに、マンションに保育施設を併設したモデル事例を周知する。将来的に保育需要が減少することを見据え、保育施設から用途変更が可能な範囲を示すことも求める。