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想定面積は7100㎡程度 西都市新庁舎基本構想・計画案

 経年劣化や耐震性等の課題を抱える市役所庁舎の建替計画を進める西都市は、新庁舎建設に係る基本構想・基本計画(案)をまとめた。配置部署や職員数及び議員数、関係省庁の算定基準を踏まえた新庁舎の想定面積は7100m2程度。鉄筋コンクリート造の4階建てを基本に、免震構造を採用する方針でいる。概算事業費は約50億円。平成30~31年度に設計、31~32年度に工事を行い、33年度早期の供用開始を目指す。

 昭和39年に建設された既存の本庁舎は建設から50年超が経過。経年劣化による老朽化が進み、平成24年度に実施した耐震診断では「巨大地震で倒壊または崩壊する可能性が高い」ことが確認された。合わせて、西棟や南・西庁舎、北別館等に機能が分散し、市民の利便性や事務処理の効率性が低下するなどの課題も抱えている。

 課題の解消に向けて、市は平成27年7月に新庁舎建設の方針を決定。庁内に設置した検討委員会や学識経験者及び市内関係団体の代表らで組織する市民懇話会で検討を重ねると共に、新庁舎建設に関する市民アンケート調査を実施した。これらを踏まえ、新庁舎建設に係る基本的な考え方を示した基本構想・基本計画案をまとめた。

 新庁舎建設の基本方針には、庁舎の安全性や災害時のライフラインを確保できる「防災の拠点となる庁舎」、窓口業務のワンフロアー化など対応環境を充実させる「誰もが利用しやすい庁舎」、分散している庁舎の統合化を図る「効率性・機能性を重視した庁舎」、再生可能エネルギーの活用や省エネ対策を講じる「環境に配慮した庁舎」を掲げる。

 新庁舎の規模に関しては、配置する部署や職員数・議員数のほか、総務省の地方債庁舎標準面積算定基準や国土交通省の新営一般庁舎面積算定基準を参考に、想定面積を7100m2程度と設定。南海トラフ巨大地震への対応として、免震構造の採用を基本とするほか、自衛隊機による騒音対策等を考慮し、新庁舎はRC造の4階建を基本とする。

 既存庁舎に隣接する西棟等の継続活用や、本庁舎等を使用しながら建設することを踏まえ、建設場所は「本庁舎周辺が妥当」と結論付けた。新庁舎の構想規模から算定した必要敷地面積を踏まえ、既存の南庁舎と隣接駐車場、選挙管理委員会事務所、隣接民有地、平田公園を含む「本庁舎南側案」を基本として計画を進める。

 他自治体の事例を参考とした現時点の概算事業費は、建設工事費が約36億円(約7100m2×想定工事費単価50万円/m2)、その他工事費が約9億円(解体工事費、外構工事費、平田公園の移設費等)、その他経費が約5億円(設計費、地盤調査費、測量費、引越費、什器備品費等)。総額は約50億円を見込んでいる。

 事業手法に関しては、民間活力を利用した「PFI方式」と従来の「設計・施工分離発注方式」を比較。財政面で有利な市町村役場機能緊急保全事業債の活用を想定していること、市民懇話会等の意見を反映させながら計画を進めていくことを考慮し、「PFI方式よりも設計・施工分離発注方式(従来方式)の方が適している」との見方を示した。

 現時点の事業スケジュールでは、今年度に基本構想・基本計画を正式決定し、30年度初旬~31年度中旬にかけて基本設計・実施設計を行う。新庁舎建設工事は31年度中旬~32年度下旬に実施。33年度早期の供用開始を目指す。33年度~34年度に外構工事や現庁舎の解体工事、西棟等の改修工事を順次行う予定でいる。

 西都市新庁舎建設基本構想・基本計画(案)は市のホームページで公開しており、9月27日から10月26日まで意見を募集している。意見募集対象者は、市内に在住・在勤・在学する者、もしくは市内に事務所・事業所等を有する者。提出方法は電子メール、FAX、持参のいずれか。提出先は西都市役所財政課。

《西都市新庁舎建設基本構想・基本計画(案)》