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トンネル点検にインフラ用ロボットを導入 国交省

 国土交通省は、トンネルの点検にインフラ用ロボットを導入する。2016年度に試行したロボット技術のうち、同省の要求性能を満たす技術を近く公表し、2018年度に行う直轄事業で本格的にロボットを採用できるようにする。当面は、点検員による近接目視を補助する撮影・記録の役割を担い、将来的にはAI(人工知能)によるスクリーニングの自動化技術を取り入れ、点検作業自体を省力化することを視野に入れている。

 国交省は、2014年度に橋梁・トンネル・水中などの点検に活用するインフラ用ロボットの現場検証を実施。このうちトンネルについては、16年度に現場検証で高い評価を受けた技術を試行導入していた。近く試行導入で要求性能(精度、経済性、効率性)を満たした技術を公表し、直轄事業での採用を認める。

 道路法令では、トンネルの定期点検を近接目視で行うことを求めているため、当面は点検員が近接目視で確認し、打音までを実施。ロボットは、点検後の写真撮影と記録などの補助的な役割を担い、点検の一連の工程の効率化を図る。

 将来的には、ロボットが大量の点検画像を取得し、AIによるスクリーニングで損傷を自動判別。損傷が著しい箇所を点検員が近接目視することで、大幅な点検作業の効率化を目指している。

 インフラ用ロボットの活用をめぐっては、17年度から直轄の橋梁点検に非破壊検査が試行導入されている。国交省の要求性能を満たした西日本高速道路エンジニアリング四国(高松市)の「赤外線調査トータルサポートシステム Jシステム」を採用することが認められている。17年度も直轄の現場を提供し、この他の非破壊検査技術の現場実証も行う。