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測量・G空間情報社会 若手技術者ら魅力や夢を語る

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▲パネルディスカッションの模様

 「G空間をしごとにする~若手が語る夢と魅力~」をテーマに、測量・地図分野などで働く若手社員によるパネルディスカッションが10月12日、日本科学未来館(東京都江東区)で行われた。14日までの3日間の日程で、国土地理院や日本測量協会などの測量4団体らが組織するG空間EXPO運営協議会が開催した「G空間EXPO2017」のプログラムの一つ。地学や測量などを学んでいる学生らに、測量や地理空間情報に関わる仕事の魅力を知ってもらおうと、国土地理院が事務局を務める広報推進協議会(測量・地図作成分野)が企画した。

 宮坂正樹氏(パスコ)は「測量と聞くと、屋外でTS(トータルステーション)をのぞいているという印象を持つ人が多いかもしれないが、実際はデータ解析などの仕事が多い」と話し、「屋内測位に関心がある。精度の高い測量成果とセンサーなどで得たデータとを組み合わせて3次元化し、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を使ってサービスを提供する仕事がしたい」などと、新たな仕事に挑戦する意欲を示した。

 自治体を顧客として固定資産税に関する業務を担っているという川越みなみ氏(朝日航洋)は、「自分の任された裁量の範囲の中で、課税評価について提案できることにやりがいを感じている」と笑顔を見せた。

 コーディネーターの橘悠希子氏(国土地理院)からワークライフバランスについて聞かれた川越氏は、「女性でも長く働き続けられる会社かどうかが、就活の判断基準の一つだった」と話した。また、日本測量協会(日測協)が組織した「女性の技術力向上委員会」のメンバーでもある川越氏は、「働きたい」「続けたい」「戻りたい」女性をサポートする活動の意義を強調した。

 転職した国土地図で営業を担当しているという地藤茜さんは、「『作られたもの』を販売するのでなく、自分たちで中身から『創り上げたもの』をお客さんに届けることができる喜びが、この仕事にはある」などと、地図の魅力を話した。

 在学中に東日本大震災を経験したという森本洋一氏(朝日航洋)は、入社の動機を「市民に防災を身近に感じてもらえる仕事に取り組んでいけるのではないか、と考えてのことだ」と説明。「都市計画と防災を結び付けた仕事がしたいし、リスクコミュ二ケーションにもコミットできれば」などと話し、初志を忘れず仕事に取り組む姿勢を印象付けた。