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就業60時間以上の雇用者、建設業は3番目の多さ 政府

 建設業の「1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合」は10.6%で、運輸業・郵便業業(18.1%)、教育・学習支援業(11.1%)に次いで3番目に多いことが、政府が国会に報告した「過労死等防止対策白書(2016年度年次報告)」で分かった。建設業の労働災害補償の状況は、「脳・心臓疾患」による請求件数は98件、支給決定件数は18件で、いずれも調査した11業種の中で5番目に多かった。また、「精神障害」による請求件数は6番目に多く、支給決定件数は5番目に多かった。

 10年1月~15年3月までの脳・心臓疾患の業務上の事案数は、運輸業・郵便業が464件で最多。建設業は162件で、卸売り業・小売り業229件、製造業192件に次いで4番目に多い。

 労災認定された業務上の事案を雇用者100万人当たりでみてみると、建設業の「脳・心臓疾患」は7.9件で、漁業38.4件、運輸業・郵便業28.3件に次いで3番目に多かった。

 一方、10年1月~15年3月までの精神障害の業務上の事案数は、349件の製造業が最多で、148件の建設業は5番目。雇用者100万人当たりの事案数は7.2件で建設業は7番目に多い。

 この白書は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づく年次報告書で、同法が議員立法によって14年の通常国会で成立し、同年11月に施行されてから国会への報告はこれで2回目。

 同法は、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」とすることを規定しており、厚生労働省は17年度の過重労働解消キャンペーンを11月1日~11月30日までの1カ月間にわたって実施する。

 期間中、過重労働による過労死の労働災害補償請求が行われた事業場や、離職率が極端に高い事業場などを対象として▽時間外・休日労働が三六協定の範囲内であるか▽賃金不払い残業が行われていないか▽労働時間管理が適切に行われているか―などについて重点監督を実施。重大・悪質な違反が確認された場合は、書類を検察庁に送るとともに事実関係を公表する。