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山村部の地籍調査、測量新技術で効率化 国交省

 国土交通省は、測量新技術を活用して山村部(林地)の地籍調査を効率化する。山村部の地籍調査の進捗(しんちょく)率は16年度末時点で45%と宅地(54%)、農用地(73%)に比べて遅れている。2017年度に山村部における空中写真測量やレーザー測量による新手法の実証実験を行った上で、新手法による地籍調査の18年度以降の試験導入を目指し、マニュアル案を作成する。

 10月6日に開いた「中長期的な地籍整備の推進に関する検討会」に報告した。国交省は、森林所有者の高齢化が進み、土地境界情報の把握が困難になりつつあり、境界情報が失われる前に境界の明確化を急ぐ必要があると考えており、新たな測量技術を導入することで、調査期間の短縮を狙う。

 現在、地籍調査にはGNSS測量やTS測量、デジタル方位距離計などを用いることができる。17年度は、空中写真測量(有人飛行機、衛星など)とレーザー測量の実証実験を行い、測量精度や調査期間の短縮効果を検証。マニュアルを作成して市町村による試験導入につなげる。

 土地所有者の現地立ち会いを伴わずに筆界確認ができるよう、現地状況を示す360度写真を活用したり、地形状況を把握できる3次元画像を活用することも検討する。