▲新病院等のイメージ図
公益社団法人宮崎市郡医師会(川名隆司会長)が進める病院等建替整備計画に関して、来月にも医師会の建設推進員会に基本設計書が提示される見通しであることが分かった。病棟や看護学校等を含む諸施設の総面積は全体で2万9134m2になる見通し。実施設計に着手するにあたり、特定された施工予定者が施工性等を検討し、設計業務に反映させる施工予定者技術協議方式(ECI方式)の採用については、現在も医師会内で協議が進められている。
宮崎市が防災支援拠点として整備する大字柏原の敷地に、医師会病院(病床数267床)のほか▽成人病検診センター▽臨床検査センター▽看護専門学校▽事務局▽院内保育施設―などの関連諸施設を移転・集約して複合的に整備する計画。施設建設に係る基本・実施設計業務は久米設計が担当し、現在は基本設計の詰めの作業が行われている。
基本設計の中では、建設予定地における各施設の配置について地盤強度を念頭に検討を重ね、平面図におけるゾーニング計画立案のため、施設職員へのヒアリング作業を繰り返し行い、徹底した基本設計の見直しを図った。久米設計と医師会事務局は、今月中に基本設計書をとりまとめ、来月にも医師会の建設推進委員会に提示する予定でいる。
設計の見直し等に伴い、各施設の総面積は、基本設計着手前の2万6870m2から2万9134m2に増大した。現時点の施設規模は、病棟が2万2408m2、緩和ケア病棟が648m2、看護学校や事務局、検診・検査センターが入居する建物が4774m2、院内保育施設が120m2、エネルギー棟が1184m2を計画する。
引き続き、久米設計が実施設計業務に着手するにあたり、医師会が施工予定業者の選定作業を行い、その業者が有する特許等を活用して実施設計に技術協力する施工予定者技術協議方式(ECI方式)の採用に関しては、現在も医師会内で協議が進められている。早期に採用の可否を判断し、円滑な事業の推進を図る考え。
仮にECI方式を採用する場合は、建築に専門的な知識を有し、かつ設計業者・施工業者とは独立した立場で、発注者である医師会に設計に関する適切な助言や相談等の支援を行う「設計セカンドオピニオン」の導入も検討する。
設計業務の委託期間は平成30年3月31日までを予定。計画が順調に進めば、29年度に実施設計を完了させ、30年度以降に本体建設工事に着手し、32年度の施設完成を目指すこととしている。