宮崎県と一般社団法人宮崎県溶接協会(碕山裕和理事長)が主催する平成28年度第61回「宮崎県溶接技術競技会」の表彰式が、18日に宮崎県工業技術センターで執り行われた。表彰式には多数の関係者や来賓が出席し、優秀な成績を収めた個人10人、団体の部を3連覇した延岡地区の努力と栄誉を称えた。
溶接技術競技大会は、各種産業において基幹技術となる溶接技術の発展、溶接技能者の資質及び技能の向上などを目的に、毎年開催しているもの。昨年11月に行われた県大会では、各地区大会を勝ち上がってきた40人の選手が技術を競い合った。同年12月に行われた審査会で選手達の作品を厳正に審査し、入賞者を決定した。
表彰式で挨拶に立った宮崎県商工観光労働部の中田哲朗部長は、溶接技術がものづくりに必要不可欠な技術であり、製造業や建設業をはじめとする各種産業の発展に大きく貢献していることを強調。安全な社会生活や経済活動を支える溶接技術を競い合う大会の果たす役割の大きさに言及し、入賞者一同の努力と栄誉に敬意を表した。
また、来賓として招かれた宮崎県議会の後藤哲朗議員は、受賞者の研究心や探究心、行動力、感謝、情熱などの相乗効果が今回の入賞に結びついたのではないかと指摘。長い歴史を誇る競技会を引き継いでいる選手及び関係者に敬意を表し、「来たる九州大会及び全国大会に向けて努力・精進して欲しい」と呼び掛けた。
審査講評を行った宮崎県溶接協会の碕山理事長は、審査の過程や入賞者の成績を分析しながら「非常にレベルの高い競技会であった」と総評。入賞者一同に対し、「県内溶接技術者のトップとしての意識を持ち、今後も自らの技術の研鑽に励むと共に、後継者の育成にも力を注いで欲しい」と呼び掛けた。
表彰では、個人及び団体の部の入賞者(後述)に表彰状と記念品が贈られた。アーク溶接の部で優勝した小野毅氏は「受賞の喜びを忘れることなく、先輩方の声に耳を傾けながら、自らの溶接技術の向上に努力することはもちろん、後進の指導も積極的に行い、宮崎県の溶接技術の更なる向上に尽力したい」と謝辞を述べた。
県大会の入賞者10人(アーク溶接の部5人、半自動溶接の部5人)は、ことし6月4日に福岡県北九州市で開催される九州大会に本県代表として出場する。県大会と九州大会の総合成績を踏まえ、10月に神奈川県で開催される全国大会の出場者を決定する。
県大会の入賞者は次のとおり(敬称略)。
*アーク溶接の部
▽優勝=小野毅(池上鉄工所)
▽準優勝=新村諒太(オリンピア工業)
▽優秀賞=横山英之(池上鉄工所)、津田朋和(清本鐵工)
▽優良賞=黒木友和(清本鐵工)
*半自動溶接の部
▽優勝=中武豊(オリンピア工業)
▽準優勝=大村幸太(ブンリ)
▽優秀賞=水崎洋樹(山田工業)、豊田將伸(ブンリ)
▽優良賞=池田竜斗(ブンリ)
*団体の部
▽優勝=延岡地区。