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今後発注が予定されている大型土木プロジェクト

今後発注が予定されている県内の主な土木プロジェクトについて、各事業の整備内容や進捗状況等をまとめた。

 国土交通省は「東九州道清武~日南」「国道218号高千穂日之影道路」「国道220号日南防災(北区間)」を推進すると共に、東九州道日南~志布志の未事業化区間や九州中央車道延岡線蘇陽~高千穂の新規着手に向けた取り組みを進める。

 宮崎県は「高鍋高岡線本庄橋工区(高岡土木事務所)」「国道447号真幸工区(小林土木事務所)」「国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)」「国道327号尾平工区(日向土木事務所)」「竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)」などを推進する。

 市町村では、宮崎市が「昭和通線小戸之橋架替事業」、都城市が歌舞伎橋架替を含む「甲斐元通線整備事業」、えびの市が加久藤橋架替を含む「市道宮崎水俣線改良」に取り組む。

◆ 東九州自動車道清武JCT~北郷(国土交通省)

 東九州道・清武JCT~北郷間は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、国土交通省が整備する。全体事業費は1,298億円。27年度末時点の進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約74%となっている。
 区間内の主要構造物としてトンネル12箇所と橋梁14橋を計画。トンネルに関しては昨年度までに全ての工事を発注済み。橋梁上部工に関しては寺山1号橋(延長129m・鋼3径間連続鈑桁橋)を残すのみとなっている。今年度は水無川橋ほか上部工や芳ノ元地区ほかトンネル工、芳ノ元地区ほか改良工などを推進する。

◆ 東九州自動車道北郷~日南(国土交通省)

 東九州道・北郷~日南間は、日南市の北郷ICから日南ICまでの9㎞を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、国土交通省が整備する。全体事業費は200億円。27年度末時点における進捗率は、用地ベースで約100%、事業費ベースで約84%となっている。
 区間内の主要構造物は▽郷之原橋(34m)▽広渡川二号橋(265m)▽山澄小谷川橋(88m)▽恵良川橋(68m)▽内之野川橋(96m)▽福谷川橋(57m)―の6箇所で、いずれの上部工も発注済み。今年度は調査設計や支障物件移設補償、大藤地区ほか改良工、山澄小谷川橋上部工などを推進する。平成29年度の開通を予定する。

◆ 東九州自動車道日南~志布志(国土交通省)

 東九州道・日南~志布志間は、日南市の日南ICと鹿児島県志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。新規事業採択時評価の前段階で事業評価を行う計画段階評価に於いて、災害発生時に確実に機能し、目的地まで速くスムーズな移動が可能となる全線バイパス案で整備する方針を確認している。
 日南ICから県境までの県内区間延長は約32㎞。都市計画決定に向けて開いた地元説明会の中で、新規路線の設計速度を80㌔、車線数を2車線(全幅12m)とするほか、区間内の4箇所にICを設置すること、主要構造物として長大橋13箇所やトンネル4箇所を設置する整備案を示していた。
 区間内の一部として今年度に事業化された日南・志布志道路は、日南~油津を結ぶ日南区間(延長3.2㎞)と夏井~志布志を結ぶ志布志区間(同3.7㎞)の2箇所。全体事業費は約222億円で、工事概算数量は▽土工約134万m3▽法面工約16万m2▽橋梁工7箇所▽IC2箇所▽舗装工約7万m2―などを見込む。

◆ 九州中央道延岡線蘇陽~高千穂(国土交通省)

 九州中央自動車道延岡線は、熊本県御船町と延岡市を結ぶ総延長95㎞の路線。このうち、熊本県山都町と高千穂を結ぶ蘇陽~高千穂間(約20㎞)は、県境を跨ぐ全線のほぼ中央に位置し、線形不良箇所や防災点検要対策箇所が多数存在する。
 平成27年3月に開かれた社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会では、計画段階評価の審議対象である同路線の整備に関して、災害時も機能する地域ネットワーク確保に配慮し、全線バイパス案2ルートと現道改良案1ルートのルート帯案が示された。
 バイパス案のうち、集落へのアクセス性と高速性・定時性を確保する南ルートの延長は約22㎞、最短で拠点間を結び高速性や定時性を確保する北ルートの延長は約21㎞。いずれも別線整備で代替路を確保できるが、コストが高額になる。
 一方、現道改良案(約26㎞)では改良した箇所から順次効果発現が見込まれ、整備コストも抑えられるが、代替路が確保されないなどのデメリットがある。沿線首長や地元団体、地域住民の意見を踏まえ、概略ルートや構造等の対応方針を決定する。

◆ 国道218号高千穂日之影道路(国土交通省)

 国道218号高千穂日之影道路は、線形不良箇所の解消や防災対策、交通事故の低減等を目的として整備するもの。高千穂町三田井を起点、日之影町七折を終点とする延長5.1㎞の2車線道路で、全体事業費は約206億円を見込む。27年度末時点における進捗率は、用地ベースで約87%、事業費ベースで約49%。
 区間内には大平山トンネル(2,306m)や平底トンネル(1,658m)、深角橋(橋長33m)などを整備するほか、深角地区にインターチェンジを設ける。いずれのトンネルも本体工事を発注済み。今年度は支障物件移設補償や用地買収、調査設計、トンネル工事及び道路改良工事を推進する。

◆ 国道10号都城道路/都城道路Ⅱ期(国土交通省)

 国道10号都城道路は、地域高規格道路として整備する都城志布志道路のうち、都城ICと五十町ICを結ぶ延長13.4㎞の自動車専用道路。乙房IC~五十町IC(7.7㎞)を都城道路、都城IC~乙房IC(5.7㎞)を都城道路Ⅱ期と位置付け、各路線の整備が進む。
 都城道路の全体事業費は356億円。これまでに平塚~五十町間(1.9㎞)が開通済であり、南横市~平塚間(2.8㎞)や乙房~南横市間(3㎞)で用地買収、調査設計、道路改良工事等が進む。南横市~平塚間は平成30年度の開通を予定する。
 一方、長大橋(橋長250m)を含むⅡ期地区の全体事業費は160億円。27年度末時点の進捗率は、用地ベースで約36%、事業費ベースで約9%となっている。今年度は調査設計や用地買収、金田地区等の取得用地管理工事などを推進する。

◆ 国道220号日南防災(北区間)(国土交通省)

 大雨等の異常気象時に通行規制の対象となる国道220号の宮崎市内海~日南市富土区間をバイパスで整備する。整備延長は2.6㎞で、幅員は10.5m(2車線)。27年度末時点における進捗率は、用地ベースで約54%、事業費ベースで約10%となっている。
 区間内の鶯巣地区と伊比井地区にトンネル(鶯巣地区=882m、伊比井地区=724m)を新設するほか、鶯巣地区に橋梁(1号橋=約15m、2号橋=約68m、3号橋=約34m)を整備する。
 昨年10月に伊比井トンネル新設工事を公告済み。1月26日に開札する。今年度はこのほか、調査設計や支障物件移設補償、伊比井地区改良工事等を推進する。

◆ 大淀川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川大淀川の直轄管理区間(L=86.1㎞)に於いて、築堤や浸透対策、護岸整備などを実施する。今年度は八重川地区の築堤(30年度完成予定)、高洲地区の浸透・侵食対策(29年度完成予定)、金田地区の浸透対策(29年度完成予定)、八幡地区及び高岡地区の裏法尻補強(28年度完成予定)などを推進する。全体事業費は400億円。29年度と30年度にそれぞれ約7億円を投入し、河川整備に取り組む。

◆ 五ヶ瀬川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川五ヶ瀬川の直轄管理区間(L=28.5㎞)に於いて、河道掘削や築堤、浸透対策などを実施する。今年度は天下・松山地区の河道掘削、恒富地区の天端拡幅及び裏法尻補強、二ツ島地区の樋管改築、昭和町地区の河道掘削などを推進する。全体事業費は273億円。29年度以降に毎年8億円程度を投入し、河川整備に取り組む。

◆ 細島港外港地区南沖防波堤(国土交通省)

 県北開発の拠点として重要な役割を担う細島港において、入出港船舶の安全を確保し、港内の静穏並びに荒天時における施設の防護を図るとともに、荷役作業の効率性及び安全性を向上させるため、外港地区に防波堤を整備する。
 南沖防波堤の整備延長は600mで、全体事業費は575億円。年次的にケーソンや消波ブロックの製作・据付工事、上部コンクリート工事を実施する。計画では、毎年度18億円程度を投入して工事を進め、平成30年代前半の事業完了を目指す。

◆ 宮崎西環状線古城工区(宮崎土木事務所)

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和する共に、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。
 このうち古城工区は、宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ区間。整備延長は1.2㎞で、区間内にはランプ橋を伴う(仮称)古城川2号橋を整備する。これまでに同橋の詳細設計や地質調査、用地測量、物件等調査を発注済み。
 古城川2号橋は、本線部が橋長229m(幅員39m~23m)の鋼2径間連続非合成鈑桁橋+鋼6径間連続非合成鈑桁橋。ONランプが橋長72m(幅員10m)の鋼2径間連続非合成鈑桁橋で、OFFランプが橋長105m(幅員10m)の鋼2径間連続非合成鈑桁橋を計画する。

◆ 学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)

 一般県道学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、主要幹線である国道220号南バイパスとを結ぶ約4.5㎞の路線。沿道周辺には大学・高校などの教育施設や住宅団地などが立地し、全線が開通すれば利便性の大幅な向上が期待される。
 路線内のうち、清武川周辺の山下工区が唯一の未整備区間となっており、並行する県道中村木崎線等が代替路線として使用されている。山下工区を整備することで全線が開通し、大規模災害時の救助・救援ルートの確保や周辺の渋滞緩和につなげる。
 整備延長は約1.2㎞(全幅16m・2車線・両側歩道)で、全体事業費は約40億円。清武川を渡河する延長400m程度の橋梁を整備する計画で、同橋の予備設計までが完了している。年次的に各種調査や測量、設計、工事を進め、平成35年度の完成を目指す。

◆ 湛水防除事業・正蓮寺地区(中部農林振興局)

 宮崎県総合運動公園の西側に位置する正蓮寺地区は、大雨時には加江田川の河川水位が上昇し、当該地区の自然排水が阻害され、湛水位の上昇と湛水面積及び湛水継続時間が増大する。低位部では毎年のように湛水被害が発生しているため、新たな排水機場の整備と既設排水路の改修に取り組む。
 計画では、20年に1回程度の確立で発生する大雨被害を想定し、既設の正蓮寺排水機場の隣接地に新たな排水機場1基(5m3/s、φ1650×1台)を整備すると共に、既設排水路の改修(延長990m)も合わせて実施する。全体事業費は約12億円、事業期間は平成29年度から34年度までの6箇年を見込む。

◆ 高鍋高岡線本庄橋工区(高岡土木事務所)

 主要地方道高鍋高岡線は、高鍋町を起点とし、西都市や国富町を経由して宮崎市に至る路線。このうち国富町の本庄橋工区には本庄橋(昭和33年竣工)が架設されているが、主要部材の老朽化が進み、狭隘なため大型車の離合が困難な状況にある。
 事業では、老朽化した本庄橋の架け替えを行うとともに、前後の交差点を含む取付道路を一体的に整備する。整備延長は0.9㎞で、幅員は14.5m。概算事業費として33億円を見込む。事業期間は平成24年度から32年度までの9箇年を予定する。
 新橋は橋長224mのPC4径間連続箱桁橋。下部工は逆T式橋台2基と逆T式橋脚3基で構成する。これまでにA1・A2橋台とP1橋脚が完成し、現在はP2橋脚工事が坂下・河野JV、P3橋脚工事がオリエンタル白石・吉原建設・藤元建設JVで進む。

◆ 木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)

 未整備区間の解消や東九州道へのアクセス強化を目的とした木脇高岡線太田原・宮王丸工区(全体延長2,230m)の進捗率は、全体事業費46億円に対して平成28年度末で約35%となる見込み。38年度の事業完了を目指し、盛土構造による道路整備や宮王丸橋(L=244m)を含む構造物の整備に取り組む。
 これまでに宮王丸工区内の710m区間を部分供用済。今年度は太田原工区の農業用パイプライン移設や盛土工事、宮王丸工区の用地買収を進めている。字図混乱地の整理や河川内民地の特定に時間を要したため事業が長期化しており、今後は本庄川~明久川区間の未買収地取得後に橋梁工事に着手する予定でいる。

◆ 国道448号石波工区(串間土木事務所)

 国道448号は鹿児島県指宿市を起点に、串間市、日南市を経て宮崎市に至る路線。地域振興や地域経済を支え、串間市内の観光地にアクセスする路線であると共に、宮崎県地域防災計画の中で第2次緊急輸送道路に指定されている。
 名谷バイパスに接続する石波工区(串間市)は、異常気象時の事前通行規制区間であるとともに、地すべり地形を成していることから、力強い経済の浮揚、定住自立を図る地域の発展、安全・安心な暮らしの確保を支援する道づくりとして路線の整備を行う。
 計画延長は3.2㎞(全幅7.5m)で、このうち山間部を貫く2.5㎞程度をトンネルで整備する。トンネル1㍍当たりの費用を250万円~300万円と見積り、全体事業費は80億円程度を想定する。今年度より事業に着手し、平成37年度の事業完成を目指す。

◆ 国道447号真幸工区(小林土木事務所)

 国道447号は、えびの市から鹿児島県伊佐市を経由して出水市に至る路線。県境の山間部は隘路区間であるうえ、急カーブが多数点在するため、宮崎県側を真幸バイパス、鹿児島県側を青木バイパスとして各県が整備する。
 本県区間の整備延長は3.2㎞(幅員7.5m)。起点側の約600m区間を既に部分供用しているため、残区間は約2.6㎞となる。残区間にはトンネル1箇所(約1,800m)や橋梁3箇所(4号橋60m、5号橋31m、6号橋40m)を整備する。事業費は約105億円を見込む。
 今年度は道路詳細設計や地形・路線測量、地質調査、路側構造物設計、軟弱地盤技術解析、掘削ずり処理対策検討などの業務を発注しており、第4四半期に4号橋詳細設計や6号橋予備設計、道路改良工事を発注する予定でいる。

◆ 飯野松山都城線梅北工区・金御岳工区(都城土木事務所)

 一般県道飯野松山都城線は、鹿児島県志布志市を起点とし、都城市甲斐元町の国道10号を終点とする延長約21㎞の路線。現在は、梅北ICから諏訪山ICまでの梅北工区、諏訪山ICから鹿児島県境までの金御岳工区の整備が進む。
 梅北工区の計画延長は2.5㎞(幅員12m)で、切盛土による道路改良工事が主体。構造物はダイヤモンド型IC2箇所(梅北・諏訪山)、橋梁4箇所、ボックスカルバート5箇所など。概算事業費は約62億円で、29年度の事業完了を目指す。
 一方、金御岳工区の計画延長は2.9㎞(幅員12m)で、概算事業費は約48億円。梅北工区同様、盛土工を主体とし、区間内には中小橋5箇所とボックスカルバート4箇所を整備する。計画が順調に進めば32年度の事業完了を目指す。

◆ 国道219号小春工区(西都土木事務所)

 国道219号小春工区は、西米良村中心部と西都市中心部のほぼ中間地点に位置。路線内の隘路区間を解消し、通行車両の安全性を確保するとともに、救急医療など沿線地域の生活支援を図ることを目的として、道路改良を実施する。
 事業計画による整備延長は1.7㎞(幅員7m)。概算事業費は約33億円を見込む。区間内にはトンネル2箇所(第1TN=337m、第2TN=約500m)と橋梁3箇所(1号橋=69m、2号橋=69m、3号橋=49m)を整備する。
 構造物は第1トンネル本体工と1号橋上下部工を発注済み。今年度は道路改良工事や土捨場整備工、2号橋下部工を進めると共に、第4四半期にトンネル坑口法面工を発注する。第2トンネル本体や2号橋(鋼単純非合成箱桁橋)上部工、3号橋(鋼単純非合成鈑桁橋)上下部工の発注時期は不明。

◆ 国道219号岩下工区(西都土木事務所)

 熊本市から宮崎市に至る国道219号の中で、岩下工区は一ツ瀬ダムの北側に位置。台風等の異常気象時に落石や路肩決壊に伴う交通途絶が発生し、既設のトンネル部は大型車の離合が困難な状況にあるため、路線の整備に取り組む。
 整備延長は約1㎞(全幅7m)で、現道の一部を改良しつつ、山間部に迂回するルートをとる。迂回部分に延長611mのトンネルを新設するほか、区間内には橋梁1箇所(84m・鋼上路式単純トラス橋)や鋼製桟道(76m)を整備する。全体事業費は約41億円。
 今年度にトンネル及び橋梁詳細設計、構造物詳細設計、地質調査、用地測量等の業務を発注済み。第4四半期には路側構造物詳細設計を発注する。計画が順調に進んだ場合、平成33年度の完成を目指す。

◆ 東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)

 主要地方道東郷西都線松尾工区は、日向市東郷町と木城町中心部のほぼ中間地点に位置。地域にとって必要不可欠な生活道路であるが、幅員が狭く、災害等による通行規制も発生しているため路線改良を行う。
 事業計画による整備延長は約2㎞(幅員7m)で、区間内には橋長128mのこぶところ大橋(鋼単純ローゼ橋)、同32mの松尾2号橋(ポステン単純PC中空床版橋)を整備する。両橋ともに詳細設計が完了している。
 平成25年度より一部工事に着手しており、今年度も引き続き、道路改良工事や法面工事などを進める。第4四半期に道路改良工事や補強土壁詳細修正設計を発注する見通し。橋梁の着工時期は現時点で不明。

◆ 国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る路線。このうち佐土の谷工区は、椎葉村と諸塚村の境界付近に位置する。整備延長は3.4㎞(幅員7m)で、概算事業費は約72億円を見込む。
 区間内のトンネル延長は、▽1号トンネル=179m▽2号トンネル=229m▽3号トンネル=1,000m▽4号トンネル=718mで、3号トンネルのみ詳細設計が未発注。トンネル工事の初弾となる2号トンネルの入札を昨年12月16日に執行した。
 橋梁は▽1号橋=17m(PCプレテン中空床版橋)▽2号橋=51m(ポステンPC単純箱桁)▽3号橋=125m(PCTラーメン箱桁)▽4号橋=60m(鋼単純鈑桁)▽5号橋=88m(ポステンPC2径間連続箱桁)▽6号橋=30m(PC単純ポステン少主桁)―の6箇所。
 今年度に2号橋上部工や4号橋下部工2基、道路改良工事、6号橋詳細設計などを発注した。第4四半期には3号橋A1下部工事や舗装工事、1号・2号トンネル照明設計などを発注する予定でいる。

◆ 国道265号十根川工区(日向土木事務所)

 国道265号十根川工区(椎葉村下福良)は、現道の椎葉~五ヶ瀬間における唯一の未改良区間をバイパスと現道拡幅で整備するもの。整備延長は約2.8㎞(幅員7m)で、区間内にはトンネル2箇所(394m、662m)や中小橋の整備を計画する。
 これまでに両トンネルの詳細設計や各橋の予備・詳細設計、道路詳細設計などを発注し、道路改良工事や舗装工事等も進めている。主要構造物の発注時期は不明。今年度第4四半期には用地測量業務を発注する予定でいる。

◆ 国道327号尾平工区(日向土木事務所)

 椎葉村に位置する現道は、幅員が狭い上に線形が悪く、大型車の離合が困難な状況にある。異常気象時には交通途絶も発生していることから、安全で円滑な交通を確保するため、バイパス整備を計画する。全体事業費は約41億円。平成32年度の完了を目指す。
 現道北側を通るバイパスの延長は約2㎞(幅員7m)で、1.7㎞程度をトンネルで整備する。これまでにトンネル詳細設計や水文調査等のほか、一部道路改良工事を発注している。トンネルの着工時期は不明。第4四半期に土捨場測量や水文調査を発注する予定でいる。

◆ 国道327号永田工区(日向土木事務所)

 国道327号は、日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路。今年度に新規着手した永田工区は、日向バイパスと接続し、国道327号から東九州自動車道の日向ICを繋ぐ道路となる。
 整備延長は約3㎞(幅員11.5m・2車線)で、起点側の日向IC付近から西北西にルートを取り、国道327号に接続するバイパスを新設する。区間内には延長700m程度のトンネルを整備する。全体事業費は約45億円を見込み、平成33年度の完成を目指す。
 昨年度までに道路設計や測量、トンネル周辺地質調査を発注し、今年度はパイプライン移設設計や1号橋詳細設計(橋長35m・PCポステン単純T桁)、補強土・箱型函渠詳細設計などを発注した。

◆ 北方北郷線川水流橋工区(延岡土木事務所)

 主要地方道北方北郷線は、延岡市北方町を起点とし美郷町北郷区に至る路線。唯一の未整備区間である川水流橋工区は延長400m程度で、老朽化が進む既設の川水流橋(270m)は幅員が狭く、大型車の離合が困難な状況にある。
 計画では、川水流橋上流部に新橋を架設し、北方北郷線と接続する道路を含めた一体的な整備を行う。整備延長は440m(幅員9m)で、このうち新橋は延長273mの鋼5径間連続非合成箱桁橋になる見通し。全体事業費は22億円程度を見込む。
 昨年度までに新橋の詳細設計や地質調査、景観検討、用地測量等を行った。事業期間は平成26年度から33年度までの8箇年程度を予定している。

◆ 竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)

 主要地方道竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(五ヶ瀬町~高千穂町)は、幅員が狭く線形不良箇所が連続しているうえ、大型車両の通行止区間となっている。このため、安全で円滑な交通や安定した輸送ルートの確保などを目的に道路改良を行う。
 整備延長は1.4㎞(幅員7m)で、山間部を切り拓く直線ルートを計画する。区間内には五ヶ瀬川を渡河する橋梁(橋長407m・3径間連続PCラーメン箱桁)も整備する。全体事業費は約44億円。平成26年度より事業に着手し、33年度の整備完了を目指す。
 昨年度までに新橋の詳細設計や物件等調査を発注し、今年度に地下水調査や道路詳細設計、一部道路改良工事を発注した。第4四半期に補強土壁工を伴う道路改良工事2件、物件等調査業務を発注する見通し。

◆ 森林基幹道高千穂・日之影線(西臼杵支庁)

 効率的な林業施業の推進や生活環境の改善を目的に、高千穂町大字押方を起点、日之影町大字岩井川を終点とする約4万mの林道整備に取り組む。利用区域面積は3,001㌶(うち民有人工林1412㌶)で、平成37年度までの10箇年で▽主伐=117㌶▽間伐=198㌶▽造林=71㌶▽保育344㌶―などの森林整備を実施する。
 林道に関しては、2万3,600mを新設、1万7500mを改築で整備する方針。車道幅員は4m、全幅は5m。現時点で判明している構造物として(仮称)乙女橋(橋長130m・PC2径間連続ラーメン橋)がある。事業期間は平成29年度から47年度までの18年間。全体事業費として約70億円を見込む。

◆ 昭和通線小戸之橋架替事業(宮崎市)

 経年による橋梁本体の老朽化や大型車及び異常気象時における通行規制など、多くの課題を抱えていた小戸之橋を現在地に架け替える計画。取付道路を含む昭和通線全体の整備延長は1,048m。このうち橋梁部分は延長506mで、幅員は旧橋の約2倍となる約16mに広げ、両側に自転車歩行者道を設置する。
 新橋の構造形式は7径間ポステンPC連続箱桁橋で、下部工は橋脚6基と橋台2基で構成する。取付道路に関しては、北詰交差点側と南詰交差点~古川橋間は用地買収を行ったうえで整備し、古川橋以南は既設道路の再整備で対応する。市は、これらの整備に伴う全体事業費を約85億円と試算する。
 平成18年度より事業に着手し、設計・測量・調査・用地取得等を経て、旧橋撤去工事や新橋下部工を順次発注している。今年度にはP3及びP4橋脚工事とA2~P3の上部工1工区(施工延長L=331.5m)を発注したほか、残る左岸側(A1~P3)の上部工発注を見据え、工事用仮桟橋設置工事も発注している。
 宮崎市の事業スケジュール(予定)によると、27~28年度に下部工、29~32年度に上部工及び取付道路改良工事などを行い、最終的に33年の完成を目指すこととしている。

◆ 市道甲斐元通線整備事業(都城市)

 市道甲斐元通線は、都城市内の主要集落間を結ぶ幹線道路。将来的には市街地から都城志布志道路・平塚ICへのアクセス向上を図る上で重要な道路となるが、一部橋梁区間の幅員が狭く、大型車の離合が困難であるため、老朽化が進む歌舞伎橋の架け替えを含む路線の一体的な整備に取り組む。
 西之前通線(川の駅西側)から歌舞伎橋東側までの区間が整備の対象。現道北側にルートを変更し、歌舞伎橋も現橋の北側に架け替える。新橋の延長は132m(幅員9.5m)で、上部工は鋼3径間連続非合成箱桁。下部工はA1橋台が高さ8.1m、P1橋脚が同13.4m、P2橋脚が同13.4m、A2橋台が同8.4mとする(いずれも場所打ち杭)。
 昨年9月に新橋の下部工2件を発注。P1橋脚は大淀・東和・相葉JV、P2橋脚は丸昭・真栄・徳満JVでそれぞれ工事が進む。今後も年次的に路線の整備を進め、計画が順調に進んだ場合、32年度までに整備を完了させる。

◆ 市道宮崎水俣線改良(えびの市)

 架設後60年以上が経過する加久藤橋を含む市道宮崎水俣線は、歩道がなく、一部急カーブもある通行量の多い路線。加久藤橋では交通事故も発生しており、現在は仮設歩道による通行規制を設けている。市は、安全な通学路の確保や利便性の高い交通環境の構築を目的に、加久藤橋を含む路線の一体的な整備を行う。
 計画では、現道に歩道を設置するなどの道路改良工事を行うほか、加久藤橋の架替工事や橋梁前後の取付道路整備工事を実施する。既設橋の下流側に架け替える新橋の概要は、橋長約150mの4径間PCポステンT桁橋。幅員は、現在の約6mから約12mと約2倍に広げる。
 橋梁工事に関しては、国土交通省に工事実施を委託する。川内川河川事務所は、昨年度に新橋のA2・P2工事、今年度に新橋のA1及びP1・P3工事を発注した。計画では、今年度に発注した下部工3基をことし11月までに完成させ、翌12月から31年6月にかけて上部工を進める予定でいる。

【おわり】