二巡目国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、宮崎県教育庁と総合政策部は県有スポーツ施設整備方針に関する中間報告をまとめ、11月定例県議会の常任委員会に示した。必要な施設基準を満たす陸上競技場、体育館、プールの各施設に関して、競技団体に対するヒアリング調査や市町村の意向調査結果を踏まえ、それぞれの整備候補地を絞り込んだ。円滑な大会運営や整備費用等の視点から検討を重ね、来年2月の定例県議会に整備方針案を示す見通しでいる。
現在の県有体育施設の多くは昭和54年の国体前に総合運動公園を中心に建設され、施設本体や設備の経年劣化が進んでいる。一方、主会場として使用が想定される陸上競技場、体育館、水泳場は、競技開催に必要となる各種基準を満たしていないため、県では施設整備に関する調査研究や基本構想の策定に向けた検討作業を進めている。
宮崎県教育庁は、ことし9月の定例県議会常任委員会の場で、外部コンサルに委託している施設規模の検討状況を報告。関係諸団体が定める仕様や基準を満たす大会施設として、総面積8万m2程度の陸上競技場、延床面積1万4000m2程度の体育館、延床面積1万m2程度のプールが必要などとする検討状況を示していた。
仮にこれらの施設を整備する場合、他県類似施設から推計される各施設の事業費(本体のみ)は、陸上競技場が約150億円、体育館が約70億円、プールが屋内で約140億円、屋外で約20億円、一部屋内で30~50億円程度になるとしている。
一方、県が9月に行った競技団体等へのヒアリング調査では、陸上競技場の使用団体が多様に活用できる「スタジアム」としての整備を要望。体育館使用団体は多目的に利用できる「アリーナ」としての整備を要望したほか、プール使用団体は国際大会の誘致も見据えた「全屋内型プール」の整備を要望した。
また、県と連携した施設整備の可能性に関する市町村の意向調査では、陸上競技場に関して都城市、体育館に関して▽宮崎市▽延岡市▽日向市▽小林市▽西都市―の各自治体が、県と連携した施設整備の意向を示したという。
これらの調査結果を踏まえ、県内都市公園や現有施設所在地、県有地、公有地を対象に、整備に必要な敷地面積を有する整備候補地を広く抽出。災害ハザードや法規制、周辺環境、建設コスト、交通アクセスの視点から▽陸上競技場=6箇所▽体育館=17箇所▽プール=15箇所―に整備候補地を絞り込んだ=別表。
絞り込んだ整備候補地に関して、会場の利便性や安全性の確保、スポーツランドみやざきの新たな展開、競技団体の施設立地等に関する基準、整備費用等の視点から検討を継続する。順調に進めば、来年2月の定例県議会常任委員会の場に於いて、整備方針案に関する説明を行う予定でいる。