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31年度までに個別施設計画 宮崎大学インフラ長寿命化計画

 国立大学法人宮崎大学は、平成28年度から33年度までの6箇年を計画期間とする「インフラ長寿命化計画」をまとめた。職員宿舎や宮崎市立田野病院及びさざんか苑等の一部を除く全ての施設を対象に、これまでの老朽化状況調査結果を踏まえた点検・診断等を行い、31年度までに個別施設計画を作成する予定でいる。

 宮崎大学が保有する建物施設の総面積は約26万m2で、約4割にあたる約10万m2が築後25年以上の要改修建物となっている。このうち7割強(約9万m2)が木花キャンパスに集中し、5年後には同キャンパスの老朽未改修建物がさらに増える見通しであるなど、同キャンパスの老朽化対策が喫緊の課題となっている。

 一方で、ライフライン(基幹設備)の老朽化も深刻だ。屋外排水管は、雨水用で全体の約76%、実験排水用で全体の約68%、汚水用で全体の約70%が30年超を経過。屋外給水管も、市水で全体の約57%、井水で全体の約62%が30年超を経過すると共に、屋外ガス配管や屋外通信線、屋外電力線の老朽化も進行している。

 各施設の老朽化状況調査結果を踏まえ、計画の中では、主要3団地(木花・清武・花殿)に於ける今後10年間の老朽対策所要額を約100億円と試算。一方、全キャンパスに於ける大規模改修や長寿命化対策(防水・外壁改修)、基幹設備・環境整備の更新費用に関しては、年間あたり約20億円の予算確保が必要と試算する。

 施設整備に向けた点検・診断等に関しては、改修時期を迎える木花キャンパスの一部で実施済み。木花キャンパス内の残る施設は29年度に点検・診断等を行い、医学部が所在する清武キャンパス、附属小中学校が所在する花殿キャンパス、附属幼稚園等が所在する花殿キャンパス、農学部の住吉・田野・赤水フィールドは30年度に実施する。

 老朽化状況や点検・診断状況等を把握したのち、改修等の時期や方法、費用見込み等を整理した個別施設計画を策定する。改修時期を迎える木花キャンパスは30年度、その他の施設は31年度に作成する見通し。これまでの改築中心から長寿命化へ整備方針を転換し、中長期的なトータルコストの縮減と費用の平準化を図る。

 財源面に関しては、国費による整備と自己財源で実施するものを整理・明確化すると共に、包括的かつ一元的な維持管理や施設マネジメントの取り組み、適正な保有面積の確保の必要性などを指摘。併せて、国や自治体の補助制度、PPP/PFI、ESCOなど多様な財源の活用についても検討を行う。

《宮崎大学インフラ長寿命化計画》